2012年5月2日 14:41
小津安二郎作品のプロデューサーが語る『わが母の記』
小津さんという存在には憧れていましたが、この3年で画期的に印象が変わりました。その結果としてこの映画が出てきた」と振り返り、山内氏は「映画を観ている間は集中していたので小津作品のことは思い出すことはなかった」と語るも「主人公の作家と母の姿を観たときに小津作品のことが頭に浮かびました」という。
大学で教鞭をとっている原田監督は「今の若い世代は小津監督や黒澤明監督を知らなくても、少しガイドをしてあげると、とてもいい感性をもっている。だからこそ、良い芸術をちゃんと伝えるのが僕らの世代の役割なのではないかと思うようになった」と言い、山内氏は「撮影所がなくなってしまったのが大きいですよね。かつては撮影所で映画だけではなく色々なことを先輩から学ぶことができた。映画の世界にとって撮影所がなくなったことが本当に悲しい」という。
以前より原田監督は「この映画は若い人に観てもらいたいし、僕が小津さんへの愛を込めたこの映画を観てもらうことで、そのうちの何パーセントかの人が小津映画に興味をもってほしいんです。そうやって文化を継承していかないと新しいものは生まれない」と語っている。
本作を公開中の劇場では、若い観客も多く足を運んでいるそうだが、彼らが本作をどのように観たのかも気になるところだ。
『わが母の記』
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