くらし情報『事件を“面白がる”ことの是非。 映画『凶悪』の監督が語る』

2013年9月20日 09:54

事件を“面白がる”ことの是非。 映画『凶悪』の監督が語る

正義のために、真実のために取材を始めた藤井は、いつしか事件に魅了されていく。そこで、本作はあえて“回想”という形式を捨て、過去と現在をシームレスに往復させながら次第に事件にのめり込んで行く藤井の脳内をそのまま映像化した。「回想をやっていくと“過去に何があったか?”が映画のテーマになってしまう。そうじゃなくて“これからどうなっていくのか?”を見せなければいけない。だから回想ではなく、“藤井が取材して、頭の中でまとめていき、紡いでいった映像”として描きました。藤井の紡いでいった映像で事件を描けば、“面白がる是非”がより浮き彫りになっていくだろうな、とも思いました」

ひとりの死刑囚の告白から始まるこの物語は、ひとりの記者を魅了し、いつしか観客をも虜にしていく。極めて凶悪な事件が起こるのはなぜか? そんな事件を人が覗き見たいと思うのはなぜか?「前作で釜山国際映画祭のコンペに参加して、出品されていた作品をほぼ全部見てきたんです。みんな新人だけど、自分と自分の周りと政治に対して切実なんですよ。
社会に向き合ってない映画が海外ではむしろない。このままいくと、日本では社会と切り離された映画が増えていくんでしょうね。

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