そこに着目したリュック・ベッソンは、脳の覚醒を“知性の増幅”ではなく“人智を越えた存在の誕生”ととらえた。アプローチは違うがジョニー・デップ主演のAIにまつわるSFスリラー『トランセンデンス』によく似ている。
ルーシーが得たものは、圧倒的なパワー。最初からその力に戸惑いなく、あれよあれよという間にスーパーウーマン化していく。その様はまるでブラック・ウィドーかそれ以上。観客が求めるスカヨハ像そのものだ。特にルーシーが脳科学者にアプローチを試みる中盤以降は、向かうところ敵なし。そして脳の力がフルスロットルになるにしたがって、ありえない現象も起き始める。
それがいわゆるヒーロー映画よりもエキサイトできるポイント。ルーシーの行く末がどうなるのか、想像以上の結末を楽しんでもらいたい。
『LUCY/ルーシー』
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文:よしひろまさみち
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