デヴィッド・ルヴォーの鮮烈な演出で、井上芳雄が見せる究極の愛
ミュージカル『ルドルフザ・ラスト・キス』が7月5日、東京・帝国劇場で開幕した。本作は、『ジキル&ハイド』や『スカーレット・ピンパーネル』で知られる作曲家フランク・ワイルドホーンが音楽を手がけたミュージカルだ。日本では2008年に宮本亜門演出・井上芳雄主演で初演。今回はタイトルロールを井上が続投し、英国人演出家デヴィッド・ルヴォーが、2009年にウィーンで自身が演出したバージョンをもとに新たな舞台を生み出した。
『ルドルフザ・ラスト・キス』チケット情報
物語の舞台は19世紀末のオーストリア。自由と平等を希求する皇太子ルドルフは、父である皇帝フランツ・ヨーゼフ(村井国夫)との思想的対立を深め、妻ステファニー(吉沢梨絵)との家庭生活も冷えきっている。一方、男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ(和音美桜)は縁談に見向きもせず、新聞に体制批判の記事を書く謎の記者ユリウス・フェリックスを崇拝している。そんなルドルフとマリーは舞踏会で、ラリッシュ(一路真輝)の仲介により知り合う。
やがて記者ユリウスの正体がルドルフだとわかり、ふたりは深く愛し合うようになるが、その仲は皇帝やステファニー、首相ターフェ(坂元健児)