共演者には瀬戸康史や田辺誠一など、これまでありそうでなかった組み合わせの面々。そこには妙な不安定感があり、逆にそれが本作の魅力にも繋がっている。「なんか得体の知れなさがありますよね。僕の信乃はイメージしやすいですが、逆にほかの方はイメージし難い。近藤(公園)くんとこういう役で絡むこともそうないですし、また田辺さんが意外なボールを投げて来る人ですから(笑)。そこでお客さんがどんな期待をして来るのか。不安でもあり、楽しみでもあります」。
中でも阿部が楽しみにしているのが、時代ものならではの殺陣シーン。
「すごく好きなんですよね。客席で観ていても、迫力のある殺陣があると“ザワッ”とするじゃないですか。そういうのを今回も感じて欲しいし、感じさせたいです」。
これまで数々の作品で題材となってきた『八犬伝』。なかでも阿部の印象に残っているのが、深作欣二監督の映画『里見八犬伝』だと言う。「だから同じ『八犬伝』でも、いろんなやり方があるんだなって思いましたね。特に今回は、すごくスピード感がありますし。それを河原さんが、さらにどうおもしろくするのか。
きっと入りやすいものになると思いますので、あまり時代ものだと意識せず観に来て欲しいなと思います」。