勘九郎の躍動と七之助の七変化。赤坂大歌舞伎、開幕!
赤と黒のシックな劇場に映える、中村屋ならではの「黒・白・柿」の定式幕。幕が開けば、歌舞伎特有の鮮麗な色彩が次々に溢れ出す――。そんな、赤坂大歌舞伎でしか見られない景色が、2年半ぶりに蘇る。9月7日の初日を前に、舞台稽古の一部が公開された。
赤坂大歌舞伎 チケット情報
1演目は舞踊『操り三番叟』。まず、面箱を持った千歳(坂東新悟)、続いて翁(坂東彌十郎)が登場する。恭しく礼をし、扇を手に厳かに舞う両者。静謐な雰囲気から、この作品が本来、神事に近いものであることが伝わってくる。
続いて、切戸から後見(中村国生)が現れて一礼し、背景の書割が松羽目から二羽の鶴に。人形箱から三番叟(中村勘九郎)の人形を取り出し、丁寧に点検する後見。三番叟が動き出すと同時に、静謐な雰囲気から一転、囃子方の演奏が賑やかさを帯び始める。勘太郎時代に初役で勤めた2009年以来、約6年ぶりにこの役を踊る勘九郎は、キレ味鋭い動きに加え、伸びやかな浮遊感をも表現。巧みに身体をコントロールし、あたかも糸に操られているかのような人形振りを、躍動感たっぷりに表現してみせた。
休憩を挿んで、中村七之助が七役を演じる『於染久松色読販 お染の七役』。