ウエンツ瑛士&濱田めぐみが演じる、時代の寵児の光と影
『ジキル&ハイド』等を世界的に大ヒットさせ、今年は『デスノート THE MUSICAL』世界初演を成功に導いたブロードウェイの作曲家、フランク・ワイルドホーン。彼が音楽を手がけたミュージカル『スコット&ゼルダ』が今月、日本初演の幕を開ける。主演はウエンツ瑛士と濱田めぐみ。開幕を目前に控えたその稽古場を取材した。
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主人公はアメリカを代表する小説家F・スコット・フィッツジェラルドとその妻ゼルダ。フィッツジェラルドと言えば『楽園のこちら側』の大ヒットで若くして一躍名声を手に入れた男で、代表作『華麗なるギャツビー』は今でもアメリカ文学の最高峰と賞されている。そしてゼルダはその彼にインスピレーションを与え続けた運命の女。1920年代、狂乱のアメリカで時代の寵児となったセレブ夫婦だ。
さぞかし華やかなアメリカン・ドリームの世界が描かれるに違いない……と思い足を運んだ稽古場だったが、その予想は心地よく裏切られた。
いや、もちろん煌びやかな見せ場もふんだんにある。物語は山西惇扮するジャーナリスト・ベンが、精神病院で療養しているゼルダに取材をする形式で綴られていくのだが、ゼルダの語る、スコットとの生活は華々しい。