くらし情報『稲垣吾郎が天才音楽家として生きる、圧巻の舞台』

2015年10月13日 21:10

稲垣吾郎が天才音楽家として生きる、圧巻の舞台

マリアは彼と衝突しながらもその才能に惹かれ、やがて有能な片腕となって献身的に支えていく。

一杯のコーヒー豆の数に神経質なこだわりを見せ、気に入らない人間には指を差して「出て行け!」と怒鳴り散らすベートーヴェン。稲垣は大仰な仕種をしっくりと我が表現として身にまとい、芸術家ならではの尖った精神とともに人間臭い愛おしさも伝えてくる。兄に翻弄される弟たち(加藤和樹、施鐘泰)、恋人ヨゼフィーネ(高岡)、友人メルツェル(片桐仁)など、ベートーヴェンの周りでそれぞれに色濃い個性を放つ人物たち。その関わりのなかで、暴君だった亡き父ヨハン(田山涼成)の記憶と対峙するシーンが、ベートーヴェンの苦悩の根源を匂わせて強い印象を残す。マリア、ナネッテ、ヨゼフィーネの女性3人が示すベートーヴェンへの思い、距離感の違いも興味深い見どころだ。大島は、勝ち気で好奇心旺盛な少女から、思慮深く忍耐強い大人の女性へと成長を遂げるマリアを繊細に表現。初舞台にして安定の存在感を見せつけた。
終盤、ベートーヴェンは甥の養育に固執して狂気の様相を見せる。稲垣は白髪まじりの長髪を振り乱して感情を爆発させ、息をのむほどにベートーヴェンその人となって観客を圧倒。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.