「テツ、オマエ、山登りは得意か?」
土砂降りの雨の中、聞かれて答えるのはビシっとしたスーツ姿の篠崎哲也。
「全然、得意じゃありません」
しかし、それがすべての始まりだった──目の前には崩落した道と恐ろしい濁流。その山の上にあるのは「ホテル・カルフォリニア」。
舞台「ホテル・カルフォリニア」チケット情報
鬼才・すぎむらしんいちのエッチでバイオレンスなクライムコミック「ホテル・カルフォリニア~HOTEL CALFORINIA~」(講談社/ヤングマガジン)初の舞台化で、主人公・篠崎に挑んだのは、福士誠治。一見クール、けれどナイーブ、無軌道なヤクザを演じている。組の下っ端、ポン引きの彼は斡旋した売春婦・伊藤モト子(今野杏南)の売上を取り立てるため、危なっかしい舎弟の健二(山田悠介)と北海道の山奥へ。同行するのは真っ白なスーツでニヤニヤ笑う、同じ組の池田(なだぎ武)。しかし彼らを待ち受けていたのはヘビ、そしてクマ!さらには自生する大麻だった!?
一方、ホテルでも異変が起きていた。
社長が姿を消し、後には雇われたばかりの支配人・岩崎(吉増裕士)と掃除のおばちゃん(平田敦子)半端な見習い従業員だけが……事務所の机には「辞表」