くらし情報『栗山民也が魅せられた、『フェードル』の持つ言葉の力』

栗山民也が魅せられた、『フェードル』の持つ言葉の力

音楽劇『ピアフ』ほかで何度もタッグを組んでいる大竹については、『ピアフ』を構築している最中にも「この顔はフェードルだな。フェードルのあの台詞を言ったらピッタリだろうな」と感じていたそうだ。フェードルが恋心を燃やす相手、継子のイッポリット役・平岳大を「古典的なたたずまいを持った俳優。この芝居には立ち姿の美しさ、風格が必要」と評し、イッポリットの愛を受ける敵国の王女アリシー役・門脇麦には「鋭さがあってアウトサイダーな匂いのするところが面白い」と期待をかける。層のある言葉に立ち向かう出演陣に望むのは、何よりも声の確かさだ。

「これは告白の物語なんです。誰もが告白し始めたら、とにかく長い(笑)。現代劇ならこんなにくどくどとしゃべらないけれど、でもそれが美しい。
ものすごく透明でピュアなところから始まり、どんどん狂気に変わっていく。あきらかにこの作品は等身大では演じられません。それでも同じ人間ならば、どこか自分たちの眠っている感性の中に、役と同じものをみつけられるかもしれない。芸術の世界はそういうものでしょう。到達なんてし得ないし、し得なくていいと思う。欲望を持って探っていく作業が重要なのですから」

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