2017年9月19日 16:44
鮮やかな展開、歌とダンス。栗山×溝端 大人のコメディ
の登場で急に敏子の態度がおかしくなる。知るはずのなかったこと、知りたくなかったこと。4人それぞれが抱える秘密や真意がやがて明らかになっていくのだが……。
矢継ぎ早に繰り出されるマシンガントークに観客は振り回され、思いもかけない打ち明け話にぐっと心を掴まれる。その展開は実に鮮やかだ。俳優それぞれが自身の持ち味を封印して新鮮な役どころを演じているのも楽しめるし、今そこでやるか!?とツッコミたくなるタイミングで入る歌やダンスには、思わず笑ってしまう。時間経過とともに各キャラが愛おしくなってくるところに、脚本と演出の巧みさを感じさせられた。
岡田は2015年に初のオリジナル戯曲『スタンド・バイ・ユー~家庭内再婚~』を上演しており、舞台作品を手がけるのは今回が2度目。
「ひよっこ」にも、あたかも舞台かと見紛うような、少人数の会話だけで進んでいったり、本流から脱線した会話の面白さがジワジワと胸に沁みてくる場面があったりする。岡田脚本の魅力にハマった層ならば、それを生で味わう貴重な機会を見逃す手はないだろう。丁々発止の会話でテンポよく駆け抜ける1時間40分。渇いた心を潤してくれる軽妙洒脱な大人のエンターテイメントを、肩肘張らずに楽しみたい!
東京公演は9月29日(金)まで。
取材・文:高橋涼子(演劇ライター)
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