浦井健治ら出演、日韓の“チーム力”が生んだ壮大な思想劇が開幕
と指摘され、嘆く。その絶望を最後に受けとめる恋人ソールヴェイを、趣里が好演。神々しさすら感じる力強い声が耳に残った。
開幕前は日韓の俳優が表す情緒の違いを楽しみにしていたが、国籍の見分けがつかないほどに呼吸を合わせた、ヤン・ジョンウンの“チーム力”で構築された世界があった。濃厚なワークショップを重ねた所以だろう。俳優のみならず精鋭クリエイター陣によるスタッフワークの渾身をも隅々まで感じ取れる、圧巻の思想劇だ。
東京公演は12月24日(日)まで。
取材・文:上野紀子