及川浩治 (C)Yuji Hori
昨年9月から始まった、人気ピアニスト・及川浩治の毎年恒例の全国リサイタル・ツアーがいよいよ大詰めを迎える。今回のツアー・テーマは、ずばり「名曲の花束」。文字通り、J.S.バッハ、シューマン、ベートーヴェン、ショパン、リストの有名曲が衒いなく並ぶ、うれしいプログラムだ。
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「より多くの人たちにクラシックの素晴らしさを伝えるためには、まずは、聴いたことのある曲、少なくともなんとなくタイトルは見たことがある名曲を。僕だってオペラ・アリアのコンサートへ行ったら《誰も寝てはならぬ》を聞きたいですもん。そして名曲の1曲1曲を花にたとえれば、生け花のようにコンビネーションがとても大事。ただ名曲を集めましたではなく、全体がひとつの素敵な花束になるようなイメージです。組み合わせ次第でそれぞれの曲のキャラクターも違って聴こえます。
実際、これを通して弾いていると、すごく幸せなんですよ。それをみなさんと共有したいですね」
さまざまな色や大きさの「花」が並ぶ構成。たとえば、ピアノを習う子供たちにも人気の《エリーゼのために》と、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを代表する1曲である《熱情》が並んだプログラムは珍しいだろう。