「世界でもっともポピュラーな『白鳥の湖』と、私たちの十八番である『オネーギン』を皆さんにお見せできることに、感謝して踊りたい」と語ったのはカンパニーを代表するスター、フォーゲル。アマトリアンも、「この『白鳥の湖』の第4幕は、私の知るすべてのテクニックを駆使しないと演じることのできない、非常に美しく感動的な幕。すべてを捧げて踊ります」という。往年の大スター、ナタリア・マカロワが「これを踊らずして引退したのが残念だと話すほど、素晴らしい、クランコならではの幕」とデートリッヒも自信たっぷりだ。
いっぽうの『オネーギン』は20世紀ドラマティック・バレエの不朽の名作として知られるが、ヒロインのタチヤーナ役について、「夢見ていた役柄。細かなところまで配慮しないと踊れない、成熟した女性像、描けるかどうかチャレンジ」とバデネス。そのパートナーを務めるガニオは「(原作の)プーシキンの詩の世界を身体の動きで表現する素晴らしい作品。オネーギンは神話的ともいえる特別な役柄、もっと深めていきたい。
偉大なカンパニーと共演でき、とても楽しみ」と満面の笑顔を見せた。『オネーギン』にはマリインスキー・バレエのディアナ・ヴィシニョーワも客演予定、華やかな競演が期待される。