成河&福士誠治、人気ミュージカルに挑む注目の新ペア誕生
、僕は胸ぐらを差し出してきたら、ボディブローを返して、気づかせたい。もっと危険がいっぱいの作品なんだよ、と。僕自身、やめてくれ、こんなことは見たくない!と複雑な思いにかられながら舞台に引き込まれていきました。その危険な出会いこそが演劇の本質だと思う」(成河)
問題提起から始まった成河の姿勢とは逆に、福士のほうは「これまでの作品を拝見していないので、僕にとっては初演」と、クールに初挑戦を心待ちにしている様子。ふたりのこの温度差が、すでに“私”と“彼”のアンバランスな魅力となって興味をそそる。
「犯罪を扱っているけれど、人間の深いところをえぐってくる芸術作品といった印象。いい賛否両論が出る作品のように思います。ある狂気、スリルを求める感情は、人間誰しもが持っていると思うんですね。
普通はそれを隠すほうが生きやすいし、持っていてもけっして心地良くはない。でも彼らはスリルを実行してこそ超人になる、という考えに行き着いてしまった。その心理が怖いし、観客の皆さんはどう思うのかなと。ストレス社会という言葉がある今にも通じる作品だと思います」(福士)
初顔合わせだが、すでに作品について話し合っているというふたり。