くらし情報『橘ケンチ×京極夏彦が生む美しい舞台「魍魎の匣」稽古レポ』

橘ケンチ×京極夏彦が生む美しい舞台「魍魎の匣」稽古レポ

、刑事の木場(内田朝陽)らの前で忽然と姿を消してしまう。同じ頃、バラバラ遺体が次々と見つかるニュースが世間を騒がせていた。それらの出来事に思わぬ方向から関わることになっていくのが、小説シリーズでお馴染みの登場人物、鬱気味の冴えない小説家・関口巽(高橋良輔)、「推理をしない」探偵・榎木津礼二郎(北園涼)、編集記者兼カメラマン・鳥口守彦(高橋健介)ら賑やかな面々。彼らのやりとりは軽快で、作品をテンポのいい観やすいものにしていた。そんな彼らが集めてきたヒントを、その蘊蓄とセンスで鮮やかに解決へと導くのが、古書店「京極堂」の店主で神主にして陰陽師でもあり「憑物落とし」を副業にする、橘演じる中禅寺秋彦だ。中禅寺が登場すると一気に空気が動き出し、爽快感すら感じるほど。どんなときでも飄々としているのが魅力だが、クライマックスの瞬間は違う表情を見せ、印象的だった。

冒頭から謎が散りばめられ、京極作品ならではの印象的な台詞、ドキッとするような演出が続いていく本作。
衣裳などビジュアルの完成度も高く、文学的な空気の漂う美しい舞台となっている。花王おさむや坂井香奈美ら脇を固めるキャストにもぜひ注目してほしい舞台「魍魎の匣」

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