老いと若さをめぐる葛藤のドラマを美しき歌手たちが演じる『ファウスト』
Faust Production image (C) ROH 2019. Photograph by Tristram Kenton
「このオペラハウスはスター歌手たちにとってとても居心地のいい場所なんだ。合唱もオケもスタッフもとても温かく彼らを迎え入れるからね。お互いに、家族と再会したような気分になるんだ」…前回の来日時にこう語っていた音楽監督のアントニオ・パッパーノ。9月に行われる英国ロイヤル・オペラ4年ぶりの引っ越し公演『ファウスト』に主演するヴィットリオ・グリゴーロにとっても、この劇場に帰ってくることは嬉しいことであるはず。2010年に『マノン』のデ・グリューでロイヤル・オペラに初登場して以来、『愛の妙薬』のネモリーノや『椿姫』のアルフレート、『ラ・ボエーム』のロドルフォなど多くの主役を演じてきた。今やMETを始め世界中のオペラハウスから引っ張りだこだが、グリゴーロの明るくピュアで努力家な性格は、英国ロイヤル・オペラととても相性がいい。
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グリゴーロはイタリア人テノールだが、フランスもののレパートリーが充実しており、マスネの『ウェルテル』『マノン』グノーの『ロメオとジュリエット』などで主役を歌ってきた。