遠慮のない生々しさ。SUNPLUSの初舞台公演、稽古に潜入!
稽古開始するまで、それぞれ台詞の読み合わせをしたり筋トレをしたりと楽しそうだったが、赤澤の呼びかけで芝居が始まると空気は変わった。
若手俳優のユニットが演じる男子校の寮の話…というとまずは爽やかで楽しい青春ものをイメージしがちだが、本作はけっこうな重さを持つストーリー。生徒たちは家族との不和や、過去のトラウマ、DVなどさまざまなものを内に秘めたまま、寮で過ごしている。クラスも違い、そこまで仲がいいわけでもないという彼ら。しかし、個室のエアコンが壊れたことによって広い部屋で寝泊まりすることになって、物語は動き出す。ふとしたやり取りの中でも、抱えた事情が見える人、見えない人、ふと見え隠れする人など、それぞれの性格と背景を丁寧に表現していくキャスト達。そこに赤澤が「もうちょっと感情隠せる?」「その芝居だとこういう関係性が見えない」と調整を入れていく。まだ稽古は始まったばかりだが、辛いDVシーンなども遠慮なく芝居できているのだろう。
生々しく、観ていて引き込まれた。このメンバーだからこそ深まっていくものが、これからたくさんあるのだろうと感じさせる稽古場だった。
メンバーの中でも若い平野が先生役を務めたり、佐奈がやたらとモテる役だったり、どんな部分がどう生かされているかを想像するのも楽しそうだ。