アレクセイ・ステパニュク
令和元年も残り1か月を切った東京で、見逃せない画期的なプロジェクトが注目を集めている。芸術総監督ワレリー・ゲルギエフ率いるマリインスキー・オペラとそのオーケストラ「マリインスキー歌劇場管弦楽団」による『チャイコフスキー・フェスティヴァル』(11月30日~12月7日/東京文化会館、サントリーホール)。
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オペラと管弦楽曲の両輪で本場ロシアの大作曲家の魅力を味わい尽くすことができるという、ありそうでなかった本気のオール・チャイコフスキー・プログラムだ。オペラのほうは、代表作の《スペードの女王》のフル演出上演と、上演機会の少ない秘曲《マゼッパ》をコンサート形式上演の2演目。そして管弦楽コンサートのほうでも、交響曲第4~6番やピアノ協奏曲第1番、ヴァイオリン協奏曲などおなじみの名曲はもちろん、なかなか実演を聴くことができない前期交響曲の第1~3番や、ピアノ協奏曲第2番、第3番も含め、まさにチャイコフスキーの全貌を見せてくれるうれしい企画。この記事の配信時点で、すでに《スペードの女王》は終了したが、その舞台リハーサル直前のつかの間、演出を手がけたアレクセイ・ステパニュクに話を聞いた。