葵わかな主演、アジア初演ミュージカル『アナスタシア』
彼女だけが特別だったわけじゃない。普通の女の子が夢や信念を持ち続けた結果、あのような結末になったのだと思います。演じるにあたって、誰もが主人公になれるという風に描いた方が、魅力的に映るのかなと今は感じています」。
昨年の『ロミオ&ジュリエット』に続き大役を射止めたが、そもそもミュージカルへの出演は想定外だった。可能性を広げるため「やりたい役」を決めない主義。でも、舞台で観たジュリエット役に一目惚れ。初めて「絶対に演じたい」役と出会い、当時朝ドラ『わろてんか』出演中だったにも関わらず、撮影の合間を縫いながら、自主的に歌のレッスンに通い始めた。その後、『ロミオ&ジュリエット』オーディションのチャンスが巡ってきた。
「全然何も決まってなかったのに、ずっとジュリエットの歌を練習していたので、私の執念がオーディションを呼んだ!と思うくらいでした(笑)」。初舞台では実際に涙する観客を目の当たりにした。「千人分の涙の気持ちを吸収して演じると、自分でも今まで出せなかったほどの悲しみが表現できて。そこに魅力や不思議さを感じました」。
本作でも会場との一体感を楽しみにしている。「耳に残る楽曲、装置や衣裳、お話の広がりかたも日本で上演されている作品にはないと感じるほどのスケール感なので、すごく新しいものになると思います。