檀れい「意志に目覚めた女性の葛藤を活き活きと」今秋、明治座で
“個人”として自由に生きられない切実さに思いを馳せつつ、「そんな彼女が、自分の想いをストレートに伝えてくる男性に出会ってどう変化するか……その葛藤や喜びを、おさんの人生に魂を吹き込みながら活き活きと表現したい」と意気込んでみせた。
相手役・茂兵衛を演じる橋之助との共演経験はない。しかし、檀は過去に橋之助が出演した歌舞伎を鑑賞しており、当時の印象を「瞳がエネルギッシュに輝いており、役を突き詰めて演じることが本当に好きなんだろうな、というのが伝わってきました」と述べる。さらに「自分の心にまっすぐな茂兵衛を彼が演じたら、どんな熱量でおさんの心を揺さぶるんでしょうね?」と微笑み、「一緒にお芝居するのが今からすごく楽しみです」と期待を寄せた。
座長としての気がかりは、流行中の新型コロナウイルス感染症だ。檀は不安な気持ちを吐露する中にも「苦しい時に観た舞台に心が救われるように、人間にとって心の潤いや活力になるのはエンターテインメント」の信念を打ち出す。そして「上演するからには万全な態勢で、皆さんに上質な作品を届けたい」「そのために、自分に与えられた役割を全うします」と覚悟を覗かせ、取材を結んだ。