ベートーヴェン「運命」ピアノ版を演奏―会場で〈希望〉〈勇気〉を共有したい
「交響曲第5番は、自分にとってまさに「運命」の曲。」という及川に、今年のコンサートに『運命』を初めて演奏することについてうかがうと、「僕が生まれて産婦人科から初めて及川家の実家に連れて来られた時に、父が大音量で「運命」のレコードをかけていたそうで、その影響からか、小さい頃からベートーヴェンを神様のようにあがめていました。最後に〈希望〉や〈夢〉、〈勝利〉に向かっていく構成は、ベートーヴェンの音楽に多く見られますが、「運命」はその特徴が特に凝縮されています。コロナウイルスによって大変な思いをしている方が多くいる中で、今こそ最後に〈打ち克っていく〉というベートーヴェンの音楽をお届けしたいと思っています。」と意気込む。
「先日様々な演奏家の方々とベートーヴェンばかりを演奏するという機会がありました。その時、「ベートーヴェンに救われた」というのが、演奏家みんなの意見でしたね。ベートーヴェンは、人に希望や勇気を与えてくれるということを改めて実感しました。だから、ベートーヴェンはいつの時代も愛されているんだと思います。ベートーヴェンからもらった勇気や希望を、僕の演奏を通して、集まってくれた聴衆の皆さんと共有したいと願っています。」