Kバレエ『くるみ割り人形』が今年も、コロナ禍で作品が果たす役割とは
一転、クララ・くるみ割り人形・ドロッセルマイヤーのパ・ド・トロワが終わり、青い幕が降りると舞台上は一面の銀世界に。粉雪の中で幻想的に舞い踊る雪の精たちの姿に、思わず息をのんだ。
クララに助けられ、本来の姿を取り戻したマリー姫と王子は、祝祭ムードの中でグラン・パ・ド・ドゥを踊る。作品のクライマックスを飾るこのデュエットを取材日に繰り広げていたのは、毛利実沙子と高橋裕哉。クララ役の河合有里子が振りまくピュアな魅力に対して、堂々と成熟したステップで客席を魅了した。ドロッセルマイヤーに扮したのは、杉野慧。不思議な力で物語を動かす、ミステリアスな存在感を見せつけた。
なお現在、熊川が本作について語るコメント動画が公開されている。
バレエ界の“アイコン”ともいえる『くるみ割り人形』を「絶対に毎年やらなければならない、マストな公演」と語る理由を聞き届けよう。コロナ禍においてこの作品が果たす役割を、改めて見つめ直してみては。公演は12月2日(水)~6日(日)に、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。なお、小林美奈(マリー姫)・栗山廉(くるみ割り人形 / 王子)