くらし情報『名古屋・大阪での個展巡回に、最果タヒ「詩になる直前の言葉で“私”を取り戻して」』

名古屋・大阪での個展巡回に、最果タヒ「詩になる直前の言葉で“私”を取り戻して」

「私がいちばん鮮烈だと感じる、言葉が自分の想像を超えていく瞬間が作品に現れることが理想」とする通り、琴線に触れる語に偶然“出会う”もよし“探して”必然とするもよし、楽しみ方は来場者次第。愛知はギャラリーの形で、大阪はモビールの量でさらなる没入感を演出するという。

東京会場から登場した《座れる詩》は、丸い椅子に腰かけると詩の朗読が聞こえてくる趣向だ。愛知では『夕陽の詩』、大阪では『STAY BRIGHT』が追加され、いずれも演劇ユニット・マームとジプシーやチェルフィッチュなどの作品で活躍する俳優・青柳いづみの声で再生される。「読んだ人が自分のものとして自由に楽しめる詩」を目指していた最果は、青柳の「自分らしさを発揮するような読み方は考えていない」という姿勢に共感。「来場者の意識に自然と働きかけていくような朗読で、言葉に遠近も感じられる」と絶大な信頼を寄せる。

軽率な発言が憚られるコロナ禍では、他人の目をつい気にしてしまう。しかし、最果はこんな時こそ本展には意義があるのでは、と考える。
「懸命に空気を読んで求められる自分を演じたあと、映画や文学に触れると、自分を取り戻す感覚があります。それを好きだと思えた時の自分は、誰にも否定できないものだからです」

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