渡辺謙「時計が動き始めた」 主演舞台『ピサロ』の“アンコール上演”が開幕
撮影:五月女菜穂
渡辺謙が主演する舞台『ピサロ』が東京・PARCO劇場で開幕した。
本作は、16世紀に寄せ集めの兵を率いて、2400万人のインカ帝国を征服した、成り上がりのスペインの将軍ピサロの物語。ピーター・シェーファーによる傑作戯曲を、ウィル・タケットが演出する。
昨年3月、PARCO劇場オープニング・シリーズ第一弾公演として華々しく開幕する予定だったが、緊急事態宣言の発令などにより、45回上演予定のところがわずか10回の上演に。観劇が叶わなかった観客の声に応え、この度の“アンコール上演”が決まったという背景がある。
「もうちょっとで手が届きそうな、掴みかけるものがあったときに公演が中止になった」。初日を前にした会見で、そう当時の悔しさを語った渡辺謙。再び本作を上演させたいという強い思いがあったといい、「また稽古が始まった時に、本当に時計が動き始めた感じがした」と話す。
出演する宮沢氷魚も「中止になって悔しい思いをしたし、その思いをどこにぶつけていいか分からないこともあった」と振り返るが、渡辺がカンパニーに「またやりましょう」と言った言葉を支えにしてきたという。「その時の言葉を思い出すと、とても前向きになれる自分がいて。