生観劇と生配信でまるで別作品!舞台『Another lenz』上演中
徐々に明らかになる複雑な人間関係や、人間の表の顔と裏の顔の変化など、あらゆる要素が相まって、多くの観客は、何が「リアル」で、何が「フェイク」なのか、どこまでが「俳優」で、どこまでが「役」なのか、ある種の混乱状態に陥るだろう。俳優としても活動している磯貝龍乎が手掛けた斬新な脚本と演出に思わずうなる。このコロナ禍で、配信される演劇作品は増えたが、これまでの配信作品とは確かに一線を画するとだけ示しておきたい。なお、個人的には、生配信を見てからの生観劇という流れがおすすめしたい。
初日を前にした囲み取材では、本作の見どころについて、出演する太田将熙は「見どころは全部と言いたい」と作品に自信を覗かせ、菊池修司は「個性豊かなキャラクターたちはもちろん、配信と観劇と両方の視点で楽しめること」と語った。また、伊崎龍次郎は、配信ではほとんど出演しない山沖勇輝の名前を挙げて「ぜひ劇場で活躍と勇姿を見てほしい」。稽古で一番苦労した点については、碕理人は「膨大なセリフ量と、生配信における時間調整」を挙げ、AKB48の北澤早紀は「血糊もタバコもアクションも男性とのハグも初めて」と初めてづくしの現場だったことを明かした。