2016年7月6日 05:15
星に追いつけない願い事、七夕の話《水曜のケセラセラ》
隣の人が後でそんなことを言っていてなるほど、と感心。そして少し落胆。流れ星への願い事ではなかったけれど、瞬時に出てこなかった私の願い事は、ふわふわと、どこか不誠実で後ろめたい気持ちを伴っているのだなぁ、と核心をつかれた気がしたんです。織姫と彦星がどうしようもない二人だと笑った冒頭の私こそ、強く思える願いすらないつまらない人間なのではないかと。
あれからなんとなく七夕のことが頭から離れない私は、ふと立ち寄った「とらや」さんで七夕限定の『天の川』を買ってしまいました。琥珀羹でできた緑の空に流れるのは煉羊羹の天の川。散らばる星は白いゴマ。モチモチの琥珀羹はじーんと口の中に溶けていく、程よい甘さ。
控えめに散りばめられたゴマは、こんなにも弾けるものだったっけ?と驚くほどの存在感を放ちます。星に追いつける願い事って何だろう?普段あまり食べない和菓子を口にしながら、ぼんやりと夏の空に思いを巡らせました。七夕でハッピーな話題を考えようと思ったのに、すべての事柄を重く煮詰めて考えてしまう性格がこうも出るとは、、、、願い事は「適度な軽さを持って生きる」にしようかな。Text : Azu Satoh
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