『ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ ー 境界線への視線』から垣間見える新しい "パリ" の見え方
こういった系譜を知っていくのも体系的に作品を見ることのできる企画展ならではですね。
また、レオナール・フジタは、昨年の東京国際映画祭 (TIFF) でオダギリジョー主演映画「FOUJITA」が放送されたことも記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。「アッツ島玉砕」に代表される通り、2度の世界大戦に人生を翻弄された挙句、フランスへ帰化した1人です(日本を去る時の名言と、土門拳が撮影した空港写真が最高にかっこいいのでぜひ見ていただきたい)。そういった経緯を鑑みると、半世紀以上が経過した今こうして邦美術館で彼を目にする機会が増えたことは、喜ぶべきことかもしれません。ちなみに、著作権が厳しいフジタの作品は今も数多くの作品が未だ「著作権有効」であるため。なのでこの記事に1枚もフジタの作品画像は掲載されていません。
「小さな職人たち」シリーズをはじめ作品を見るためには現場で確かめるのみ!乳白色だけでないフジタの作品を、貴重な絵画・写真の数々をぜひご自身の目で確かめてみてはいかがでしょう?
そのほかにも、企画展をモチーフに考案された限定のコース料理や19世紀末に使われていたピンホールカメラを作るワークショップなど、多角的に展示会を楽しめる催しが用意されているので要チェック。