『親なるもの 断崖』が突きつける、モノ扱いされた女性たちの絶望
海に囲まれ逃げ場はなく、周りは欲情しきった獣だらけ。心底寒気がしました。
愉快なエロエロ少女漫画などでは、「彼の目的は私の身体なんじゃないかしら?」なんて悩むシーンが散見されます。性的行為が「愛ゆえの行為」かどうかは、女にとって至上命題なのです。相手からの愛があるからこそ、多少の我慢はできるし、リスクも負える。
でも遊郭に入ったら、男の目的は100%身体なんです。自分をモノ扱いされることのむなしさ、絶望感は男性には想像がつかないものでしょうか。だから「痴漢に遭って嬉しいんじゃないか」なんていう意見が出るんですかね。
まあ、だいたい性についての話になると、男とは言い合いになって分かち合うところがないので、この作品も恐らくそんな感じかなーと予想しております。どなたか男性の意見をくださいませ。
Text/和久井香菜子