2015年10月9日 12:00
自分にとって都合の悪いやつをメンヘラよばわりするのをやめろ
という存在は都市伝説か何かだと思ってたんですよ。まったくいないわけではないのだろうけど、「あの子はメンヘラだよ」と人から聞くのは私にとって「隣村のじいさまがキツネに化かされたよ」くらいのリアリティのない話で、その単語を聞くたびに意味がよくわからず首を傾げていたのです。
そこを承知の上であえて踏み込むと、この言葉が広く使われるようになった背景として、私はやはりコミュニケーションを簡略化したいという現代人の欲が隠れているのではないかと考えます。感情の起伏の激しい彼ら・彼女らによって生活のペースがかき乱されたとき、「この子はメンヘラだから」というラベルを貼ると、消耗するエネルギーがだいぶ節約されることでしょう。こちらの身を護ることを考えれば確かに有効な手立てではあるのかもしれませんが、私はそれが同時に弊害を生んでいる可能性というのも考えてしまいます。
あなたは、普通のキツネの影を妖怪と間違えていたりすることはありませんか?それがキツネではなくタヌキだったり、ハクビシンだったりする可能性はありませんか?広義の「メンヘラ」という言葉は便利なので、自分にとって都合の悪いやつにラベルを貼って満足してたりする人が、なかにいるんじゃないかと私は疑ってしまうのです。