くらし情報『障がいを受け入れてたくましく生きる『五色の舟』の見世物小屋一座』

2015年10月15日 15:00

障がいを受け入れてたくましく生きる『五色の舟』の見世物小屋一座

みたいなことはありません。お父さんは歩けないから昭助兄さんが担ぐ、和郎は腕がないから足を使う。
和郎は桜のことを「生来無いところをほかで勝手に補ってしまうような逞しさがない」と言っています。つまりほかの4人には、そうした逞しさがあるというのです。自分を受け入れ、個性として自分たちの身体を見世物にすらして揚々と生きている彼らに「障がい」という言葉は浮かびません。

物語は、少しだけ不思議な設定です。「もし~だったら」という仮想の世界が存在し、その世界へは「くだん」という牛と人間のあいのこが連れて行ってくれるのです。
そして「くだん」によって別の未来を手に入れた家族たちは、新しい身体を手に入れても、「見世物小屋の一座にいたことを恥ずかしいとは思いません。
みんな自分の力で一生懸命生きていましたから」と否定をしないのです。

私は、特段、障がいと言えるようなものを持っていません。でも、特に頭がいいわけでもなく、視力も良くないし、よく風邪を引く平々凡々な人間です。けれども、自分を肯定するのがとても難しいのです。
必要なのはキレイで性能のいい入れ物ではなく、力強い精神だということはわかってはいても、なかなか実践できません。

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