どうせ幸せになんてなれないから、「幸せになりたい」っていうのやめよう
を手にすることなんて、この世にいる限りないんです。まあ、ちょっとよく考えればわかることですね。もしそんなものがあったとしたら、それはおそらく違法なドラッグかなんかが作った幻想なので、早めに離れることをおすすめします。
私は日本画家・松井冬子の描いた『完全な幸福をもたらす普遍的万能薬』という脳の中身が丸見えの不気味で狂った絵画が好きなんですが、もしみなさんがつい「幸せになりたい」と思ってしまったら、Googleで検索してこの絵画の画像を見てください。欠けることのない完璧な幸せなんて手にすることは、あの世に行くまで不可能です。
もし今よりも、恵まれた境遇にいたら。もし今よりも、多くのものを手にしていたら。私もそんな妄想に支配されたことがなくはないですが、こういう妄想はもっと現実レベルまで落とし込んで、細部までしっかり思い浮かべるべきだと最近気が付きました。
もし自分が、結婚して子供を産んだら。駅でベビーカーを押しているときに、男性に舌打ちなんかされたら……私は怒りに身を任せた檄文を自分のブログとかに書き殴って、炎上して四方八方から怒られまくっていることでしょう。そんな私は、独身の今と変わらず、けっこう楽しそうであると同時に、良くも悪くも煩悩にまみれています。