ゆるくつながる「第三の居場所」を確保しよう東京大学教授・玄田有史さんインタビュー(前編)
とか「よかったら、うちにこない?」といった話にもなる。
今は日本の企業でも、仕事のやり方が組織ありきから、プロジェクトベースに少しずつ変わってきています。
常に固定の“ストロング・タイズ”を持っている人よりも、これからはその都度相応しい人材を集めてきて、プロジェクトが達成したら解散するような柔軟な“ウィーク・タイズ”を持っている人の方が、これからは有利になるでしょう。
――仕事でも友達関係でも、ゆるいつながりのほうがいいとみんなが思いはじめたんですね。
玄田:だから、おひとりさまでも全然いいけど、“ウィーク・タイズ”は持っていたほうがいいと僕は思う。それは、“第三の居場所”と言ってもいいかもしれない。
家庭と職場と、2つしか居場所がないというのはよくない。3つくらいあったほうがいい。
トライアングルが一番バランスがよくて、支えがあって強いですから。ただ、“第三の居場所”も固定化してしまっていつも同じ場所に行ってばかりでは、“ウィーク・タイズ”にならないから意味がないんですけどね。
――強い帰属先や、所属コミュニティのような居場所は求めなくてもいいということですか?
玄田:「居場所があれば安心だ」