おひとりさまが家を買ったっていいじゃない!『プリンセスメゾン』作者・池辺葵さん(前編)
』(池辺葵/小学館 ビッグコミックス)
――作品では沼ちゃん以外にも、さまざまな家で、さまざまな生き方をしている女性が描かれていますが、職業や地位やキャリアにかかわらず、人知れずみんなどこかに孤独を抱えている気がしました。
池辺恥ずかしいことですけど、私はゼロから物語を作るのが苦手で。共感だけを頼りに描いているというか、自分が日々感じている感情をもとに膨らませないと、話に入り込めないんです。
――でも、読んでいて決して寂しい気持ちにはならず、むしろ励まされて温かい気持ちになります。2巻に出てくる、旅をするOLの豊田さんが印象的でした。
池辺実は、温泉で倒れたのは実話なんです(笑)。北海道へ一人旅に出かけたとき、札幌から帯広まで電車で3〜4時間かけて移動するのが大変で、疲れてたんでしょうね。温泉に入ったら気を失って浮いてたみたいで……。
私、このまま死んでたかもしれないと思ったらなんかおかしくなっちゃって、これ絶対漫画に描こうと思いました。
――最後、オフィスの屋上でタバコをふかしながら「さて、どこで生きようか」と見栄を切るのもいいですよね。
池辺意地っ張りというか、虚勢を張っている女の人を描くのが好きなのかな。