まわりとちがう人生でも自信を持って!「異端」と「正統」は時代と権力者で逆転する
村上隆ってどんな人?村上隆といえば、オタクカルチャーを日本の現代アートのなかに戦略的に取り込み、海外で高い評価を得てきた美術家です。2007年にNYのメガギャラリーであるガゴシアン・ギャラリーで最初の個展を行ない、2008年にはオークションに出品した作品が1500万ドル(約16億円)という最高値を記録、美術家としての名声の頂点を極めました。ルイ・ヴィトンとコラボレーションしたバッグや、女の子が自分の胸から出ている母乳で縄跳びをしている巨大フィギア『HIROPON』などの作品を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。
彼の作品を表す言葉として「スーパーフラット」というものがありますが、これは簡単にいうと「キャラクター」を作品の中心に据える、ということです。村上隆と聞いて真っ先に連想するニコニコしたお花とか、大きな耳を持った「DOB君」なんかが、それに当たります。
我々日本人の多くは、幼い頃から漫画に親しみ、キャラクターの笑っている/怒っている/泣いているなどの表情を表す記号、また漫画表現独特の文法を習得しています。通常、美術館は芸術家や批評家、その他独自のコードを学んだ者しか楽しむことができない空間であることが多いですが、村上隆はこのなかに「キャラクター」