まわりとちがう人生でも自信を持って!「異端」と「正統」は時代と権力者で逆転する
、傍流とされてしまっていたんですね。長く美術史のなかで無視されてきたものが、現代になってその価値を再発見された、というわけです。
女性の美しさの基準や、既婚であること未婚であること、恋人の有無、仕事や育児、自分が世間で「正統」とされる生き方をまっとうできていないことに、悩む女性は多いかもしれません。私もその1人です。だけど、村上隆の『五百羅漢図』や日本の「奇想」の画家たちは、いわゆる「正統」が、常に時の権力者によって恣意的に選択されたものに過ぎないということを思い出させてくれます。
時代が変われば、「正統」は変わります。まわりとちがう人生を送っていたり、まわりとちがう価値観を持っていたって、年配の人に注意されたって、何の問題もありません。『五百羅漢図』に渦巻く力強い生命力は、そんな勇気をおひとりさまの女性にあたえてくれるはず。
というわけで、首都圏にお住まいの女性は、ぜひ森美術館に行きましょう。「奇想」ならではの美しさや面白さが、きっとあなたの刺激になるはずです。
Text/ チェコ好き