家探しとは自分の人生を見つめ直す作業である『プリンセスメゾン』作者・池辺葵さん(後編)
今どう生きたいかを考えたら
持ち家もいいかも、と思えた
『プリンセスメゾン(2)』(池辺葵/小学館 ビッグコミックス)
――家を買うつもりがない人も、もし自分が家を買うとしたらというのを真剣に考えてみると、自分の人生にとって大事なものや生き方を見つめるいい機会になりそうですね。
担当K実際に家を買った単身女性にも取材をしたんですけど、みなさん「いざとなったら最終的には売ればいい」と言っていたのに驚きました。私はどうしても、持ち家を資産や投資と考えることができなくて、愛着を持って一生愛でるものだと思ってしまうので。
池辺ただ、持ち家も自分の人生を彩るツールのひとつにすぎないから、そこまで一生ものと考えて情を持つ必要はないのかなって思ったりもするんです。自分の状況が変わって要らなくなったら、売って明け渡せばいいのかなと。
これまで家を買うなんて興味もなかったけど、この連載を始めてから、家を買えるっていいなって思うようになりました。
――そこをもう少し軽やかに考えられるようになったら、生き方のパターンも増えそうですね。
池辺今住んでいる家は賃貸なんですけど、カウンターキッチンで選んだんです。