クリスマスにひとり、「寂しさ」が部屋を賑わせる/誰に見せるでもない爪
第3回:寂しさで賑わいを見せる
「結婚期間を終えて『おひとりさま』になってから1年が経った」という読者投稿をいただいた。
私は結婚をしたことはないが、今年の夏頃まで1年半ほど「おひとりさま」の時期があった。
その最初のクリスマス。仕事を終えた私は、帰りに駅前のコンビニに寄った。
そこにあった小さめのクリスマスケーキを見て、素直に美味しそうだと思った。
昨今のコンビニスイーツはどれも目を引くものが多く、侮れない。尚かつ、クリスマス。
つい気分が上がり、ケーキ買おう! ついでにチキンも! と、後先考えずにクリスマスの定番品を買って帰宅。
しかし、わくわくしたのも束の間。私はそれらを食しながら気付いてしまった。
あ、分かった! これ寂しい! やってしまった! あーすごいすごい! 寂しい!
こうハッキリ寂しいと分かると、可笑しく思えてくるもので、「寂しい」という感情が部屋の装飾になったような、滑稽な気持ちになった。
そこから学んだことは、寂しい時は寂しいとハッキリ認めてしまうことだ。
その1年はいろんなことをやらかしたが、無かったことにするべきではない。というよりも、自分の中ではどうやったって無かったことにはならない。