写真家・小林キユウの森をめぐる冒険【週末は森にいます】
森がほしいとずっと思っていた。
けれど世間では、かなり少数派らしく、「家がほしい」「家探しています」と話題にする人は珍しくないが、「なかなかいい森がなくて」と話す人に今まで一度も会ったことはない。
会ったことはないが、僕自身は3年をほど「いい森」を探していた。
そこに小屋を建て、週末、時々そこで過ごすための小さな気持ちのいい森をずっとほしいと思っていた。
■ 「森」はどこにも売っていない
3年かけて見つけた小さな森(山梨県清里)。周囲より少し小高く、風通しがいい。
けれど、森はどこにも売っていない。
ネットで検索しても、さすがのアマゾンにも森は売っていなかった。
地方の森林組合みたいなサイトで時々、販売情報などがあったが、面積が東京ドーム100個分ぐらいの広さ(しかもアプローチの道がない)。
とても個人が買えるものではないし、その情報はなぜか西日本に多く、横浜に暮らす僕には現実的ではなかった。
結局、出た結論はどこかの別荘地の一角を買う、という至極単純な手法。
当たり前だが、アプローチの道(しかもアスファルト)もある。
きっと森を買う方法はほかにもあると思うが(例えば個人的なコネがあるなど)