振り込め詐欺、撮影会…元不動産会社社員が見た!部屋の使い方を巡る事件簿
当然ながら管理規約に違反していることから不動産会社を通じて注意したところ、エステサロンとしての使用は否定しながらもすぐに退去していきました。
■ 2.部屋が振り込め詐欺グループのアジトに!
Caito / PIXTA(ピクスタ)
同じ管理会社の別物件に関して、振り込め詐欺グループのアジトとなっている部屋があるということで所轄の警察署から館内の防犯カメラの映像の開示請求を受けたことがあります。
告げられたのはオーナーが海外転勤のため外部に貸し出した部屋で、たまたま数日前に漏水が発生して筆者も中に入ったばかりでした。
下の階への水漏れを止めるためにはすぐにでも原因を特定して処置をとらなければならないのですが、不動産会社を通じて入居者とアポイントを取ろうとしても多忙ということでどうにもならず(書類上では会社社長ということになっていた)、最終的にご本人の了解の上で警備会社が保管している鍵を使用して室内に入りました。
kai / PIXTA(ピクスタ)
テレビも食卓テーブルもなく生活感のほとんど感じられない殺風景な部屋で、今になってみれば「アジト」そのものだったと思います。
捜査が入ったときにはすでに逃亡していましたが、犯行グループのメンバーは部屋に入ると5日間籠りきりになり、いったん解散して2日後に再度集結して5日間籠るというサイクルを繰り返しており、マンションに出入りする様子が防犯カメラにすべて映っていたようです。