利益率が10%でも右肩下がりなら撤退!常識破りなネスレの発想
『ネスレの稼ぐ仕組み』(高岡浩三著、KADOKAWA)は、ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOである著者が、企業にとって不可欠な「稼ぐ仕組み」についての考え方を説いた書籍。
ネスレの成功が、常識を打破した考えによるものだということがよくわかります。
きょうは、「利益」についてのひとつの考え方をご紹介しましょう。
■利益率が10%ならお荷物の事業?
仮に、ある事業の利益率が10%だったとします。一般的な企業であれば、10%の利益率を上げられる事業は非常に優秀だということになります。
しかしネスレでは、10%の利益率しか上げられない事業は、他の高収益事業の足を引っぱるお荷物とみなされるのだそうです。
■将来的に右肩下がりならアウト!
たとえば毎年10%ずつ売り上げが減少している事業で、利益率10%を計上する50億円の売り上げがあったと考えてみてください。
一方には毎年100%ずつ売り上げが増え、利益率25%の10億円事業があります。
両者の売り上げを比較すると5倍の開きがありますが、それでも将来的に右肩下がりに衰退していくことがわかっている事業からは、現在の売り上げ規模や利益率にかかわらず撤退するという考え方。