社会貢献に数億円投じる!本当の富裕層の「マネーの流儀」とは?
■3:本当の富裕層は自分以外のためにお金を使う
著者が暮らすシンガポールには、欧米の富裕層も増えてきているといいます。背景にあるのは、米国や大陸欧州では課税強化の動きが強まり、さらにスイスなど、これまで欧米の富裕層が資産運用をしていた場所で、情報公開の圧力が高まっているという事情。
そこで、「自分の資産が追加で課税されるリスクを抑えたい」というニーズから、シンガポールに資産を移したり、移住したりする欧米の富裕層が増えているというわけです。
そして著者がこうした欧米出身の富裕層と話していて感じるのは、社会貢献への意識の高さだといいます。
そのいい例が、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツとその妻メリンダによって設立されたビル・アンド・メリンダ・ゲイツ・ファンデーション(ゲイツ財団)ですが、他にも多くの富裕層が社会貢献活動に積極的な姿勢を見せています。
また、情報技術やバイオテクノロジーなど理系の分野を中心として、研究にかかるコストも増大しているだけに、こうした基金の存在は大学の研究レベルにも大きく影響するものなのだとか。
いわば富裕層たちの莫大な資産が、教育や健康問題、貧困問題など社会的に重要な問題の解決に用いられる仕組みができているというわけです。