食品の安全性を見極めるには?実は「五感」を駆使する習慣が大切
そして冷蔵庫のなかに期限の過ぎているものを見つけたら、封も開けずに処分してしまう。
つくってから時間が経ったものも、「1日経ったから、傷んでいるに違いない」と、匂いもかがずに処分してしまう。
でも、それではあまりにも数字に頼りすぎていて、食品に対しての判断が厳しすぎると著者はいいます。
著者の研究室にも、たとえば卵の賞味期限を見て、「来週の火曜日が賞味期限だから、その前に実験に使わないと」と心配するような学生が少なからずいるのだといいます。
しかし、そういう場合に著者は、「1日くらい過ぎたところで、そんなに変わらないから大丈夫」と使用を促すのだそうです。
それに数字やラベルだけに頼ってしまうと、食品ロスもどんどん増えていくことになります。
しかし、食品が安全かどうかを確認するため本当に大切なのは、五感を駆使して自分で感じたり、考えたり、判断したりすること。だからこそ、そうした習慣をつけることが大切なのだといいます。
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たとえば問題になっている「トランス脂肪酸」についての真実など、本書には知っておきたいさまざまな情報が詰め込まれています。
食べものについての客観的な判断能力を磨くためにも、ぜひ読んでおきたい一冊だといえるでしょう。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※三輪操(2015)『食品添加物ほんとうの話』あさ出版