年収300万円しかなくても幸せになれる「お金とのつきあい方」
彼の哲学的問答は、魂を健康にする治療のひとつだったんです」
■豊かな生活はあくまで“おまけ”!
そして、ソクラテスの時代から2400年後の現代。
日本では雇用が不安定だったり、老後の生活資金が不安だったりとお金に関する悩みが尽きません。「もっと生活を豊かにしたい」という願いも、多くの人が持つ切実な思い。それでも、豊かさを願うことで魂は傷ついてしまうのでしょうか。
藤田さんにそう伺うと、「私も30歳を過ぎるまで大学の非常勤講師で年収200万円台の期間が長かったので、もっと生活を豊かにしたいという思いはすごくよくわかります。だけど、わかるからこそ、その思いは危険だと、あえていわせていただきたいのです」とのこと。
ソクラテスの思想の根幹をなすのは“自分はどういう人生を生きたいか”という問いかけ。
藤田さんは「豊かな生活とは、その問いかけに答えて真剣に生きたときについてくる“おまけ”であるべきなんです。
もっと生活を豊かに、という願いにつき動かされて人生を組み立てることは、やっぱり優先順位を間違えてしまっているんじゃないかと思うんです」と指摘します。
魂を健康に保ち、幸せに生きるには、人生の基準を「お金」