自賠責保険積立運用益の財務省流用に疑問!--JAF調査でも
自動車損害賠償責任保険は、原付や自動二輪を含む全ての自動車ユーザーに加入が義務付けられている。そしてその保険料は、交通事故被害者への保険金の支払いや支援を主とする救済対策のために役立てられている。
ところが、その積み立てた資金の運用益の一部が、94・95年に特例法によって一般会計に貸し出され、返済期限の延長を繰り返して、現在まだ約6千億円が返済されずにいるという。しかも、今度の特別会計の見直しで消えるかも知れないというから驚きだ。
JAF調査でも保険料流用知らず、8割が本来目的にと
これに関しては、JAF(社団法人日本自動車連盟)が、こうした自賠責保険の実状について、自動車ユーザーはどのように考えているかを把握するため、これに関するアンケート調査(※)を緊急実施している。
※JAFの調査は、全国の20歳以上の自動車ユーザーを対象に、10月19日、20日の2日間、インターネット調査を行い、2066人の有効回答を得たもの。
その結果、「国は、自動車ユーザーが支払った自賠責保険料の積立金から、何にでも使える一般財源として借り入れており、その返済期限が平成23年度であること」について、91.4%が「知らなかった」「あまり知らなかった」と回答しており、ほとんど知らないというのが実態のようだ。
また、その積立金が「本来の目的である交通事故被害者救済対策等に使われず、一般財源として何にでも使われること」については、79.1%が「約束通り返済し、本来の目的に使用すべき」と答える結果だったという。
これは当然の結果とも言え、保険料を負担する側にとっては、支払いを義務化されているものが勝手に目的以外の用途に転用されるのは、納得しがたいのではなかろうか。
もし保険料に余剰分が生ずるのであれば、本来なら払った側に返還すべき性格なのだが、今となっては新たな保険料の設定額を軽減するのが妥当な処理ではなかろうか。
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