【保険料月1万円以下で豊かに暮らす】第29回目 解約以外の保険見直し術2 保険金額を変更せずに保険料をゼロに「延長保険」
保険料の払い込みをなくしたい。でも、死亡保障額はこのままキープしたい。そんな欲張りなニーズに応えられる見直し制度があります。それは、「延長保険」です。以後の保険料の払い込みを中止するところは前回紹介した払済保険と同じですが、払済保険に比べて人気はいまひとつ。なぜ、延長保険は不人気なのか、延長保険の仕組みを紹介するとともに、どんなタイミングで利用するとよいのか、注意点は何かについて解説します。
1. 延長保険とは「払い込みを中止して定期保険に切り替えた保険」
延長保険は保険料の払い込みを中止し、その時点で貯まっていた解約返戻金をもとに元の契約と死亡保障が同額の定期保険に変更する見直し制度です。前回(第28回)コラムでご紹介した払済保険同様、それまでに付加していた特約は一切なくなり、掛け捨ての定期保険だけのシンプルな保障になります。
ちょっと分かりにくいかもしれないので、事例を用いて説明します。
あなたが上図の「定期付き終身保険」に加入していたとしましょう。主契約である終身保険は300万円、定期保険特約2,700万円、三大疾病保障定期保険特約500万円の合計3,500万円の死亡保障になっていますね?これを延長保険にすると、手続きをした時点で保険料の払い込みの必要がなくなり、その時点の解約返戻金を一時払保険料として3,500万円の定期保険に切り替わります。特約はすべて消滅するので、三大疾病保障を継続することはできません。切り替え後の定期保険の保険期間は大半の場合、元の保険の保険期間よりも短くなります。
では解約返戻金が多く、残存保険期間が短い場合はどうなるのでしょうか?元の保険の満期(または主契約の保険料払込満了日までの期間)を超えて、保障は継続できるのでしょうか?
正解は、保障を継続できません。延長保険に切り替えた後の定期保険の保険期間が元の保険の保険期間を超過することはなく、定期保険に充当されなかった解約返戻金が払い戻される仕組みになっています。