先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養等で、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとされた医療行為です。先進医療は、医療技術ごとに適応症(対象となる疾患・症状等)および実施する医療機関が限定されています。また、厚生労働大臣が認める医療技術・適応症・実施する医療機関は随時見直されます。医療技術の進歩や、より良い治療を受けたいという患者の要望により、承認される先進医療はここ数年は100種類前後で推移しています。
先進医療の数
現在、厚生労働省が公表している先進医療の技術は107種類です。このうち、第2項先進医療技術(先進医療A)と呼ばれるものが62種類、第3項先進医療技術(先進医療B)と呼ばれるものが45種類です。
また、先進医療は治療を受けられる医療機関が限定されています。
がんの重粒子線治療が受けられる病院は全国で4カ所しかありません。
(平成27年9月1日現在)
先進医療の費用負担
先進医療には、がん治療に関するものが数多くあります。代表的なものとして、陽子線治療や重粒子線治療があります。重粒子線治療の費用は、約300万円かかり高額となります。
先進医療にかかる費用は、患者が全額自己負担することになります。また、先進医療にかかる費用は、医療の種類や病院によって異なります。
先進医療にかかる費用以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。
つまり、一般の保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。
医療保険での保障
お金のかかる先進医療の備えとしては、医療保険やがん保険に特約を付ける形で備えられます。
がん保険のがん先進医療特約は、がん治療に関する先進医療しか保障しないのに対し、医療保険の先進医療特約は全ての先進医療が対象になりますので、先進医療特約は医療保険に付与したほうが保障範囲は広がります。