2022年4月1日 11:00
テラヘルツ波を用いたプラスチックの素材識別と熱劣化診断の可能性を検証し、識別装置を開発
環境省が2019年に実施した一般廃棄物の組成調査結果では、プラスチック廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物のいずれにおいても大きな割合を占めています。世界のプラスチック廃棄物発生量の推移から現状のペースでプラスチックの生産と廃棄が続けば、2050年までに年間250億トンの廃棄物が発生し、そのうち120億トン以上を埋立処分せざるを得ないと予想されています。また、現在の技術には限界があり、リサイクルできないプラスチックは、費用をかけて埋立や焼却処理されている現状です。
日本では、2021年6月に廃プラスチックの削減やリサイクルを一層強化する「プラスチック資源循環促進法」が成立しており、この法律は2022年4月に施行され、すべてのプラスチック廃棄物を一緒に回収することになり、今までより「つくる責任つかう責任」が強く求められます。こうした背景やSDGs(持続可能な開発目標)を達成するためには、高度な「プラスチックのリサイクル技術」を開発し、社会に実装する必要があります。■研究の概要
本研究では、テラヘルツ領域におけるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)の透過吸収スペクトルを分析しました。