くらし情報『微生物の定常期ストレス応答のための新規転写因子を同定』

2022年6月10日 14:00

微生物の定常期ストレス応答のための新規転写因子を同定

を用いてゲノム上の結合領域を解析したところ、約10個の遺伝子群を標的としていることが分かりました(図1)。これらの標的遺伝子群にはバイオフィルム形成や酸化ストレス耐性、多剤耐性、宿主動物腸内での生存などに関与する遺伝子群が含まれていました。次に大腸菌細胞を用いて、YgfIによる制御を観察したところ、YgfIの発現が定常期で上昇し、標的遺伝子群のほとんどは定常期において活性化されていることが分かりました。
標的遺伝子群の機能の中でも、バイオフィルム形成や酸化ストレス耐性は、大腸菌の自然環境下や宿主腸内における生存に重要であることが分かっているため、これら表現型へ与えるYgfIの影響を観察しました。その結果、YgfIがバイオフィルム形成を抑制化していること(図2)、および、過酸化水素耐性の獲得に寄与していることが分かりました(図3)。本研究成果から、この機能未知転写因子YgfIをSrsR(a stress-response regulator in stationary phase)と命名することを提案しました。3.今後の期待
本研究グループは一つの生物の遺伝子発現制御機構の全体像を理解する目的で、大腸菌をモデル生物としてこれまでに数々の転写制御因子の機能同定に成功してきました。

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