くらし情報『微生物の定常期ストレス応答のための新規転写因子を同定』

2022年6月10日 14:00

微生物の定常期ストレス応答のための新規転写因子を同定

特に、試験管内でゲノム上の直接的な結合配列を網羅的に同定するために独自に開発したgSELEX法を用いた研究戦略により、これまでに大腸菌K-12株の持つ7種類のRNAポリメラーゼシグマ因子のうち6種類、約300種類の転写因子のうち70種類以上の機能同定に成功してきました。特に本研究で解析した機能未知転写因子は、細胞内における発現時期や活性化条件などが不明のため、通常の細胞を用いた機能解析は困難であり、本研究グループのgSELEX法の強みが活かされた研究成果です。
今後も、本研究グループによるgSELEX法を用いた機能未知転写因子の機能解析により、微生物が持つ未知の転写制御因子およびその制御機構が明らかとなること、そして、微生物が自然環境下などのストレス条件下における生存のための新たな仕組みが理解されることが期待されます。これらの成果は、微生物のゲノム機能を利用した物質生産や環境浄化、また病原性微生物の理解などの応用分野にも役立つことが期待されます。

4.発表論文
<タイトル>
Transcription factor SrsR (YgfI) is a novel regulator for the stress-response genes in stationary phase in Escherichia coli K-12.
<著者名>
Ikki Kobayashi, Kenji Mochizuki, Jun Teramoto, Sousuke Imamura, Kazuhiro Takaya, Akira Ishihama, Tomohiro Shimada
<雑誌名>
International Journal of Molecular Sciences
<DOI>
10.3390/ijms23116055

研究グループ
・明治大学農学部農芸化学科 ゲノム微生物学研究室
准教授 島田 友裕(しまだ ともひろ)

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.